知的障がいのある子どもへの性暴力防止事業(2021年度~2023年度)ー暗くなる理由をなくしていくー

2021年度~2023年度休眠預金等活用法に基づく助成
知的障がいのある子どもへの性暴力防止の事業に取り組みます

子どもの人権をベースにした暴力防止のための予防教育CAP(キャップ)プログラムは、昨年、日本での活動が25周年を迎えました。2006年からは障がいのある子どもたちへのプログラム提供に取り組み、たくさんの子どもたち、教職員、そして保護者のみなさんと出会ってきました。
社会構造のなかで“子どもだから”、そしてさらに“障がいがあるから”という理由で「しかたない」ことのように扱われてきた障がいのある子どもへの様々な形態の暴力。
子どもたちは決して無力ではないにも関わらず、子ども自身に自分は無力だと無意識のうちに、刷り込まれていく現実を目の当たりにしてきました。
これらは、障がいのある子どもの問題ではなく、社会課題として取り組むべきものです。
この社会課題に取り組むことを決意し、休眠預金等活用法に基づく助成を受け、知的障がいのある子どもへの性暴力防止事業に3年をかけて取り組みます。

 

本事業によって解決しようとする課題ー取り組みによってめざす状態
ー知的・発達障がいのある子どもたちが暗くなる理由をなくしていく

①知的・発達障がいのある子どもへの性暴力防止が社会課題として認識される。
②知的・発達障がいのある子どもの心とからだの境界線を育むアプローチの知識・スキルを持って、子どもの育ちの早い段階から意識して関わり、支える職域・居住地等の枠組みを超えたおとなのネットワークがある。
③知的・発達障がいのある子どもに関わるおとなが陥っている無力感から「予防教育をやってみよう!」「やり続けよう!」という意識の醸成や意識転換を図る。 (連続セミナーの開催・サークルズプログラム・サークルズプログラム実践者の養成)
④知的・発達障がいのある子どもへの性暴力防止の取組み(予防分野/予防教育を含む介入分野、ケア・支援の分野の体制の整備・法整備)がすべての分野において促進される。
 
 

障がいのある子どもの暴力にあいやすさを減らすために何が必要なのかを探る
ー事前アンケート調査を行いました

特別支援学級・特別支援学校や入所施設でのプログラム提供で、障がいのある子どもたちへの暴力の現実の前に「どうしたらいいのかわからない」と戸惑い、無力感に陥る保護者、支援者の皆さんとも出会ってきました。起きてしまった子どもへの暴力を前にして、途方に暮れているおとなの姿に子どもたちは罪悪感や自責感を抱き、ますます自分は無力だと感じていく・・・。
未然防止・発生防止・悪化防止・再発防止の4つの段階に対応する予防教育の重要性、予防的観点での取り組みを広げていくことの必要性を痛感するとともに、日常で子どもたちに自分を大切な存在と思う感覚を育み、人との距離の取り方を繰り返し学べる環境を整備を急がなければと考えました。それが、障がいのある子どもたちの暴力にあいやすい状況を変えていくこと、暗くなる理由をなくしていくことにつながると考えています。
この事前アンケートでは、社会課題を解決する本助成事業の取り組みに必要なものは何かを探り、支援の現場の皆さんの声を反映させながら、そのエビデンスを持って障がいのある子どもへの暴力防止、特に知的・発達障がいのある子どもへの性暴力防止の取り組みを3年をかけて行う事業の柱を立てていくことが目的として行いました。

アンケート内容

 
 

今後取り組んでいくサークルズプログラム

社会的および人間関係の境界、対人関係のスキル、および人間関係に固有の社会的スキルをわかりやすい形式で教える3つのプログラムで構成されています。サークルカリキュラムは、学校、家庭、社会、職業の設定全体で役立ちます。
バージョンアップされたサークルズプログラムの著作権を団体として管理し、これまで子どもへの暴力防止(CAPプログラム)に取り組んできた知見を活かし、日本の現状にあった障がいのある子どもたちに有効な性暴力の予防教育としてサークルズプログラムの提供に責任を持って取り組んでいきます。

 

休眠預金等活用法に基づく助成
JANPIA(一般社団法人日本民間公益活動連携機構)
大阪府人権協会(資金分配団体)
NPO法人CAPセンター・JAPAN(事業実行団体)

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