オンライン寄付プロジェクト2
児童養護施設の子どもに“あなたは大切”と伝え続ける
12月3日~1月16日のオンライン寄付キャンペーン、E-ファンドレイジングチャレンジ2019が終了いたしました。多くの皆さまのご協力で、期間中に289,000円のご寄付をいただくことができました。(オンライン41人、団体への振込1人)本当に、ありがとうございます。
2020年度も全国各地の児童養護施設の子どもたちにCAPプログラムを通して、「あなたは大切な人」を伝え続けて参ります。
ご寄付が1.5倍になるキャンペーン期間は終了しましたが、本プロジェクト「児童養護施設の子どもに“あなたは大切”と伝え続ける」は寄付の受付を継続していますので、今後もご支援いただきますようお願い申し上げます。
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90名の方に1000円ずつご支援いただくと、1つの施設で暴力防止プログラムを職員・子どもたちに提供することができます。
児童養護施設で暮らす子どもたちの多くは、家庭で虐待などの不当な扱いをうけ、その結果として家庭から離れてもなお、漠然とした不安・無力感を抱き、自分の力を信じることができず、人との関係性において生きづらさを抱えています。
児童養護施設において子どもと施設職員に暴力防止プログラムの提供を行うことで、子どもたちが自分が持つ力を体感し、おとなを信頼しなおすきっかけになっていくものと考えています。そのことが、他者との安心な関係を築き、社会の一員として現在(いま)、そして将来にわたってその力を発揮できる力になっていく-CAP(キャップ)プログラムはそれをめざしています。
あなたの寄付により実現できること
90人の方に1,000円ずつご支援いただくと、1つの施設で暴力防止プログラム(施設職員ワークショップ1回と子どもワークショップ2回)が実施できます。
2013年からこのプロジェクトを継続し、地域の児童養護施設や母子生活支援施設などで、おとなと子どもにCAPプログラムを提供しています。
皆さんからのご寄付を活用し、2018年度は13施設で33回実施した子どもワークショップの費用に活用させていただきました。2019年度は、昨年度より2施設増え、15施設で35回の子どもワークショップが実施される予定となっています。
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寄付の方法
オンライン寄付サイト「Give One(ギブワン)」から寄付をお願いします。
GiveOneでのご寄付は、すべて寄付金控除等の税制優遇の対象となります。いただいた寄付金のうち15%の手数料を除いた金額が、助成金としてプロジェクトの口座に振り込まれます。
入金方法:
・クレジット(VISA、Master、JCB、AMEXが使えます)
・ジャパンネット銀行振込
・銀行振込(ペイジー)
※ペイジーとは、パソコンやスマートフォン・携帯電話、ATMから支払うことができるサービスのことです。
オンライン寄付以外でも、直接団体の口座へお振り込みいただくこともできます。
【郵送振込】お振込みの明細として「プロジェクト2019」とご記入ください。
[加入者名] CAPセンター・JAPAN
[口座番号] 00910-4-86716
2018年度活動レポート NEW!
大事なことだからみんなに何度でも来るよ。だって、あなたは大切な人だもの。
暴力防止プログラムの継続実施をめざしている本プロジェクトで、継続実施が実現しているのは現在15施設。1年に一度の機会ですが、子どもたちは「またCAPか」と言いながら、実は待っていてくれたことがその笑顔から伝わってきます。「大事なことやからみんなに何度でも来るよ。●●さんは大切な人やもん」と私たちも笑顔で答えながら、今年も実施できてよかったと感じる時間です。
毎年実施していても、その度ごとに子どもたちの感じ方、意見は違い、年々落ち着いて、深く考えていってくれている変化がわかります。中には、今年措置されてきた子どももいて、職員や他の子どもたちと私たちCAPの関係性を見ながら、少しずつ信頼関係を築いていきます。不安だったり、不信感だったり、無力感だったりを言葉だけでなく、表情や座っている姿勢、行動で教えてくれる子どもたち・・・。施設の日常生活で見せる姿との違いに職員が驚いたり、感動で涙したり・・・。子どもワークショップは、職員が子どもたちの様子を見ながら、子どもたちのケア、そして退所にむけた日々をどう支えていくのか、子どもワークショップで、子どもと共に持った言葉やCAPの考え方をどう活かしていくのかを考える時間でもあります。
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~子どもワークショップに同席された職員の方からの感想の抜粋~
<子どもたちのワークショップでの様子を見ながら感じたことー子どもたちの持つ力>子ども達がとても素直に話しを聞いている事、話をよく理解している姿におどろきました。 自分で考える良い機会になったと思います。ロールプレイも想像しやすい設定であったのでよかったです。高学年になると日常から色々なことを思って生活していることも分かりました。 事前にCAPのワークショップがあることを伝えたところ、「あー、あんしん、じしん、じゆうだね!」と多くの子どもから聞かれました。今日の様子を見ても、照れながらも自信を持って発言することが多く、覚えてくれているのだなと感じることができました。 子どもたちが積極的に参加できていました。特に、役になって演じることで具体的な行動を理解することができていました。 とても分かりやすかったです。子どもも嫌がることなく最後まで話を聞いており、子どもを引きつける話し方も勉強になりました。 今年も小学生を対象に子どもワークショップを実施していただき、半数の子どもたちが初めて参加しました。聞く姿勢や、就学前のプログラムの方があっているのではと思う子どももいましたが、アンケートやトークタイムのお話から、何かしら子どもたちの心に届いていることがわかりました。特に、初めて参加する子どもから、家庭にいる時にCAPのことを知っていたらよかったと話していたので、もっともっと地域や学校で学ぶ機会がたくさんあったらと思いました。 子ども達に自分の身を守る実践的な方法を教えることの大切さを感じることができました。劇等では、積極的に参加する姿が見られ、体験を通して学べているのだろうかと感じました。学んだことを子ども達も自分も意識できるよう日々の会話に使用していきたいと思います。 幼児さんにとって何が安心なのかと感覚的なものを伝えていくことの難しさ、大切さがあると感じています。でも、CAPを通じて、子どもたちの受け答えを見て、意外とわかっているんだなあと感心しました。 継続実施をすることの意義―大切なメッセージを繰り返すこと、日常で使える道具になっていく-
毎年参加している子どもたちは、しっかり覚えているので、できる限り続けて自信になるといいと思いました。 事前の打ち合わせを丁寧にやってくださることや、数年の積み重ねがあり、子どもの中にも話が入っているのを感じます。身の守り方や、違和感のある距離について等、同じ内容をくり返すことの意味を感じています。 「安心、自信、自由」の権利は子どもたちにとって何よりも大事なことですが、概念的なものであり、小さい子たちにいざそれを説明するのは、意外と難しいと思います。その点CAPはワークショップで身ぶりや劇を交えて分りやすく説明してくださり、子どもたちにも自然に伝わっていました。これからも続けてこうしたワークショップの機会があれば、子どもたちの理解もより深まると思います。 寸劇の内容も変わらず、子どもたちもよく分かっているように感じました。すでに知っているということが子どもたちにとって安心材料なのだということを感じています。くりかえし伝えることで少しでも体験を積み、いざという時に行動できるといいなあと思います。 このプロジェクトに寄付する
プロジェクトの背景
児童養護施設で暮らす半数以上が虐待を経験
児童養護施設で暮らす子ども約40,000人のうち、半数以上が虐待をうけた体験を持っています。
法律で分類されている虐待以外にも何らかの不当な扱いや不適切な環境の中にいた子どもたちです。これらの体験は子どもの成長や発達を阻み、人との関係を結んでいくことに影響を与えています。
子どもが本来持つ活き活きとした力が発揮できない状態のために、子どもと子ども、子どもとおとなが互いに孤立した状態でうまくつながりあえないまま日常生活を送っています。
その状態は、いじめ・非行・虐待などのさらなる暴力を生む可能性をはらんでおり、個人の問題ではなく、社会が解決するべき課題であり、本プロジェクトが解決しようとしている課題でもあります。
力が発揮できないでいる子どもに”あなたは大切”と伝え続ける
この課題の解決には、自分は無力だと感じている子どもたちの自己肯定感を育むことが必要不可欠です。
本プロジェクトでは、皆さんからのご支援で、子どもへの暴力防止プログラム(CAPプログラム)を子どもと施設職員に継続して提供していきます。そのことを通じ、子どもたちが自分の力を実感し、おとなを信じ直し、社会の一員として現在(いま)、そして将来にわたってその力を発揮できるように働きかけを行います。
児童養護施設でのワークショップ実施
おとなに、そして子どもたちに
児童養護施設での暴力防止プログラムの提供は、まず施設職員対象のワークショップを行います。おとながまずプログラムを知り、理解していることで子どもたちの施設の日常生活へのプログラムを通じて得た知識やスキルの活用が促進されます。
子どもたちは自分自身のけんりについて、もし暴力にあいそうになったとき自分になにができるか、どうしたらいいのかを主体的に取り組み、一緒に学びます。
子どもたちに話し合いやロールプレイ(役割劇)に参加してもらうなど、内容は常に前向きに終わり、子どもを怖がらせることなくワークショップ形式(参加体験型学習)で進められます。
また、子どもに対してだけでなく、おとなにも内容を共有していただくため、おとな対象のワークショップを行います。
2002年に児童養護施設から始まった取り組みは、母子生活支援施設・情緒障害児短期治療施設・里親会などの現場にも広がっています。
施設職員ワークショップ
児童養護施設で働く職員(おとな)が対象です。
ワークショップの目的は日常生活でワークショップで学んだことを活かして、施設職員同士のコミュニケーションが変化することやワークショップを受けた子どもの気持ちの変化・感情の表現にタイミングよく対応できるようにすることなどです。
子どもワークショップ
児童養護施設で暮らす子どもが対象です。
暴力とはなにか、権利とはなにかを学び、子ども同士での暴力、おとなから受ける暴力、それらにどう対応するのか状況に合わせて学びます。
子どもの発達や年齢によってプログラムの内容が異なります。3~8才は就学前プログラム(3日間で実施)、9~13才は小学生プログラム(2日以上で実施)といった形です。 さらに中学生以上にもプログラムを提供しています。
暴力防止プログラムに参加した皆さんの声
子どもの声
げきたのしかった。またきてほしいです。 |
1年に1回来てくれてありがとう。げきがおもしろかったです。とてもいいきもちになりました。またならいたいです。やめてということがわかりました。わかりやすかったです。ふしんしゃがつかもうとしたらおおごえでさけぶし、はしってにげます。 |
自分は暴力を受けてここに来ましたが、今日の話を聴いて暴力は絶対にいけないことで、自分は振るわないようにしたいです。 |
人によって感じ方が違い、たくさんの意見が出て、とても勉強になりました。なるほどと思えることがたくさんありました。 私は、CAP子どもワークショップをして、改めて気をつけなければと思ったので、このことを活かして生活していきたいなと思います。 |
おとなの声(施設職員)
最終日の“怖い秘密は守らなくていい”というところは、とても大切だと思った。子どもが勇気を持って話をしてくれた時に、おとな側(職員)がしっかり受けとめてあげる関係づくりをしていきたい。 |
なぜ子どもが暴力を受けやすいのか、また受けたことを周囲の大人に話すことが出来ないのかを改めて考えるきっかけになった。偏見や思い込みをもたずに子どもの話を聞くことができるようにしたい。また、いつでも話を聞けるよう自分自身も心に余裕のある大人でいたい。 |
グループディスカッションや全体でのシェアを通して、他の職員の考えや子どもへの関わり方を新たに知ることができ、よい学びの場になった。これからも、こういう形で他の職員とも交流しながら、子どもの権利や生活を守っていくための学びの場としてCAPを活用していきたい。 |
否定的な言葉でなく、肯定的な言葉で声をかけることにより子どもの行動が変わってきた。幼児に対してはてきめんで、実行し始めた日から今迄できなかったことができるようになった。何よりも、肯定的な言葉をかけている時の職員の心持ちが否定的な言葉がけをするより、ずっと穏やかになった。 |
おとなの声(プログラム終了後のエピソード)
子どもワークショップ終了後、手紙を職員に渡してきた。「施設内の子が嫌なことを言ってくる。どうしたらよいですか?」 その後、話を聴くと、「聞いてくれてありがとう」と言っていた。「大人に相談する」ということが、日常的にできる環境に近づいてきた。 |
まだわからないだろうと思っていた子ども達も、きちんと発言でき、理解しており驚きました。どうせわからないだろ・・などと思わず、きちんと話していこうと思いました。 |
普段自分のことを話さない子ども達が、何人も自分の過去のことを長々と話す姿に驚きました。子どもは話したいんだ・・・と痛感しました。子どもが話したいと思える大人、信頼できる大人になりたいと思いました。 |
今回、CAPのプログラムを子どもたちが受けて、その影響はすぐに表れていました。「権利」と言われると、大人でもうまく説明しにくいものですが、プログラムを受けた子どもたちは「権利」をよく理解していました。その為、子ども同士のトラブルでは「相手の子の権利守られてた?」と言うと、スッと子どもたちに入り子ども自身で考えて理解することができていました。 |
CAPセンター・JAPAN 代表者からのメッセージ
社会的養護の現場に関わる一人として、施設で子どもへの暴力防止プログラムを導入することによる、外部とのつながり、外部からの働きかけは、そこに関わるおとなにとって、そして何よりも子どもたちにとって重要だと実感しています。
“社会的養護”の現場は現在のそして将来にむけての子どもの育ちと社会的課題の解決を支えるものです。そのために、おとながつながって協働しながら子どもを育んでいることの確認ができることで、孤立しがちな現場が変わります。
また、共通の言葉を使って、おとな同士、職員・里親たちと子ども、そして子ども同士が語り合えることが互いを尊重し、自分の大切さを実感することにつながります。それぞれの現場に適切なプログラムが届けられることで効果は一層増すものと期待しています。
みなさんのご支援で、子どもたちは社会とのつながりを感じることができます。どうぞご支援をお願いします。
CAPセンター・JAPAN理事長 側垣 一也
(社会福祉法人三光事業団 理事長・総合施設長およびひかり保育園園長)