制作者インタビュー
実は元は運転者のための交通安全啓発グッズだった“チャイルドビジョン”。それを開発され、命名された寺田松雄さん(テラダクラフトスタジオ)からお話を伺いました!82歳(当時)の現役のクラフトマンです。
チャイルドビジョンはこうして生まれた
始まりは1982年、かれこれ30年以上前のこと・・・。
当時の「横浜市市民局交通安全対策室」の依頼によって考案されたもので、幼児死亡の上位が交通事故死で何とかこれを、保護者、幼児教育担当者・・・、おとなの力で少なくすることが急務であるとのことから、急きょ警視庁交通博物館、眼鏡店等で成人と幼児期の子どもの視野の差異を学んだそうです。
横浜市で「交通安全教育の指導者講習会」で講演と造形実技のコラボレーションのため、初めての教材として“チャイルドビジョン”を使用し、参加者全員ではさみと糊で手作りのビジョンを作り、幼児期の子どもの視界の狭さを体験したのが始まり。当初、用紙のサイズはB4版と設定され、そのサイズに「チャイルドビジョン」として設計し、誰でも作れる形にまとめるのがたいへんだったそうです。日本初、そして前例のないカタチですから。
そしてそのタイトルが「幼児視界体験メガネ」ということが長いし言いにくいので、最後の最後、寺田さんが“チャイルドビジョン”と命名したそうです。まさに“チャイルドビジョン”の父が寺田松雄さんです。
子どもの視点啓発グッズ CAP版“チャイルドビジョン”
さて、私たちが最初に寺田さんにご挨拶したのは2013年春。ちょうど1年くらい前のことです。すでに研修等で活用していた私たちは、寺田さんに交流安全(子どもの視点に立つコミュニケーション)、幼児期の子どもの視点に立つことをおとなが意識するための体感ツールとして新たな活用をしたいとお願いしました。
「へぇ~」「なるほどね~」「30年も経ってこういうことになるとは~」と寺田さん。
そして了解してくださって、アドバイスもいただいて『CAP版チャイルドビジョン/子どもだけに見える世界 模擬体験メガネ』が完成しました。
こうして、交通安全啓発グッズが子どもの視点啓発グッズ“チャイルドビジョン”にリニューアルとなりました!
CAP版チャイルドビジョンを組み立てたところ