事業レポート

オンライン講演会『男子が性被害を言い出しづらい5つの理由~部活で起きる性的暴行~』レポート

私たちCAPは、様々な形態の子どもへの暴力防止に取り組んできました。活動を始めた1995年当初から“子どもへの暴力なんてめったに起きない”という捉え方は根強く、特に性暴力、そのなかでも男子が性暴力被害にあうことなど想像もしたくないといった反応が少なからずありました。25年経った今でも、加害者が被害者に沈黙を強要し、被害者が沈黙を守ろうとし、社会が被害者が語れない環境を温存するという「沈黙の共謀」は続いています。
私たちはその「沈黙の共謀」を崩すためにCAPプログラムを提供し、さらに様々な形態の暴力の存在を社会全体で認識していく機会をつくり、発信してきました。今回のオンライン講演会はその取り組みの一環として開催したもので、ジャーナリストの島沢優子さんに取材を通じて出会った当事者の声も織り交ぜながらお話しいただきました。社会が培養する沈黙の根深さを改めて痛感しました。
ご講演では男子が性被害を言い出しづらい5つの理由を日本社会の保守性として①「そんな話しないで」という親世代の性へのタブー視、②「強くあらねばならぬ」という男らしさの刷り込み、③「男性は被害に遭わない」という社会の思い込みがあげられました。また、部活動という環境の特異性として④「圧倒的な主従関係」のなかでの指導者による支配と⑤「合宿・遠征」という指導者との密接な関係性があげられ、事例を交えたとてもわかりやすいお話で、あっという間に時間が過ぎていきました。
参加した皆さんのアンケートからは満足度が高く、たくさんの気づきを持っていただき、アクションを起こそうと思ってくださったことを読み取ることでき、お仲間のできた心強さとともに、CAP活動への期待を寄せていただいたことに応えていく責任を感じています。

参加者が「印象に残ったこと」をアンケートから一部ご紹介します。

  • 子どもは「駒」ではなく「人」なのだ、という言葉がとても印象的でした。その視点を持って日常を見つめなおそうと思います。
  • 性暴力の実態は、性欲というよりも支配欲による暴力だということ。
  • 子どもたちが普通に参加している部活動の中で、こんなことが行われているのかと思うと驚きが隠せなかった。しかも、性暴力というとどうしても女子を対象としてみてしまうが、男子も同じように被害に遭っていて、女子よりも表面化しにくいということの原因を一つ一つ教えてくださったのがわかりやすかった。
  • 構造的な問題。勝利至上主義の中で勝ち抜いた人だけでなく、子どもも親も教育者もが、その支配的な構造の中で人間らしさやスポーツ本来の楽しさを見失っていくようなあり方は終わりにしなければならないと思いました。
  • 男子が性被害にあうかもしれないという話を、親や学校からされていないこと。確かにその通りだと思いました。米国などでは男女問わず、性被害にあう可能性がある教育はされているのに…先ずは、日本でも、男子の性被害にあう可能性について、家庭や学校でも、普通に、日常的に話されるようになることが必要なんだと思いました。
  • パーソナルエラーとシステムエラーが印象に残りました。加害をしてしまう人にこそケアが必要であり、家庭にも支援が必要だが日本ではそこまでできない。

 

また、アンケートの「本日の講演会に参加して今感じていること、考えていることを教えてください。」からも一部抜粋してご紹介します。

アンケートからは、多くの方がご自身のこれからのアクションを考えておられることが見えます。

  • 自分を守る方法を子どもたちに伝えていくこと。CAPの活動は大事だと再認識した。
  • 女性しか被害に遭わないとされていた世の中の風潮も、性犯罪の法律の改正などもあって、だんだんと変わってきているような気がします。性に関わる問題は恥ずべきものとする世の中が変わり、もっと性のことがより男性も女性も理解が深まる世の中になって欲しいと思います。
  • 根元にあるのは「子どもの人権」だと改めて思いました。
  • 加害者も支援をしていける社会づくり
  • 日本中の子どもにCAPプログラムが届いて欲しい。そして、おとなに再教育の機会があるといいのにと思いました。
  • 男子の性被害についてフォーカスした研修の場はとても貴重です。今回は参加者に男性が少ないように見えたのですが、こういった問題に男性も積極的に向き合ってほしいと思いました。
  • 子どもに対する暴力は「体罰」「虐待」「不適切な指導」などの表現に変えられてしまうが、全て「暴力」であり犯罪行為である。その認識を拡げ、子どもへの暴力を許容してしまう社会を変えていきたい。
  • 被害者が黙らされている、日本の社会の状況を変えていかないと、と思いました。
  • 被害者視点に立って考えることが当たり前の社会になるように行動していくことを止めないことの大切さ。
  • もし自分の周りで何か起こったとき、「おとなは何も言わない」という言葉を思い出すと思う。パーソナルエラー、システムエラーの解決のために、声をあげることが第一歩かと感じた。何も言わない、見なかったことにしない、はやめようと思う。
  • どんなことでも話していい。そのまま話を聞いてくれるおとなを増やしていきたい。



 
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