2020年度からの新中期計画

『すべての子どもが“安心・自信・自由”に』
1.理事長挨拶
2.新中期計画(2020~2024年度)の策定にあたって
3.スローガン:『すべての子どもが“安心・自信・自由”に』とは
4.SDGsターゲット16.2
5.立案のプロセス(ネクストステージ委員会の設置など)
6.中期計画4つの柱と組織管理

 

1.理事長挨拶

災害時、あるいは新型コロナウイルス感染症の拡大などによって社会不安が高まると、社会的な弱者の立場におかれている人たちが心とからだを傷つけられる可能性が高まる環境となっていきます。国連はコロナの陰に隠れたDVの「パンデミック(世界的大流行)」が起きていると警鐘を鳴らしています。DVは子どもにとっては虐待環境そのものです。また、新型コロナウイルスの感染拡大による景気後退を受けて世界では例年と比べ、新たに数十万人の子どもが命の危機にさらされるとして警戒を呼びかけています。今、まさに子どもたちが社会構造のなかで置かれている立場・状況が凝縮され、顕在化しています。社会の中で子どもが置かれている立場・状況を変えていくことー“安心・自信・自由”を日常生活に根づかせていくことが必要です。
CAPセンター・JAPANは、2020年度からの5年間に「すべての子どもが“安心・自信・自由”に」を新スローガンとして、運動を繰り広げ、予防教育による社会の課題解決に取り組みます。
皆さま、ご支援をよろしくお願いいたします。そして、ご一緒いたしましょう!

側垣 一也
(社会福祉法人三光事業団 理事長・総合施設長およびひかり保育園園長)

 

2.2020年度~2024年度の中期計画を策定にあたって

現状が厳しいからこそ、
めざすゴールを定め、戦略に基づいて歩みを進めていくことが必要だと思っています。
子どもたちが暴力にあいやすい状況をその根底から変えていくには、“戦略”が必要です。
皆さまと連帯して歩みを進めていくために、一緒にいれば一人より強いを体現するために、
この5年間でめざすことを共有するーそれが中期計画・中期目標を策定する理由です。法律・制度が少しずつ整備されるなかで、虐待・いじめ・いじめ自死・体罰・性暴力・子どもの貧困などは相変わらず社会課題として存在し続けています。今こそ、批判や非難、分断や孤立ではなく、共感し、認め合い、支え合い、つながることが必要で、CAPの果すべき役割の重要性がより一層増したものと感じています。
新たな中期計画で皆さまと協働しながら歩みを進め、2030年をゴールとする持続可能な開発目標(SDGs)の16.2(ゴール16のターゲット2「子どもに対する虐待、搾取、取引及びあらゆる形態の暴力及び拷問を撲滅する」)の達成をめざしていきます。

≪第1期中期計画(2013~2019年度)を推進した7年間の様々な出来事≫

各地で災害が相次ぎ、いずれの災害においても、東日本大震災以降の災害の教訓が生かされ、いち早く「子ども支援」がスタートしたことが印象に残っています。またこの間、法律・制度の面ではいくつかの大きな転換点がありました。
2016年には児童福祉法の改正によって子どもの権利条約の精神にのっとり、子どもを権利の主体として捉えることが謳われたこと。2017年には性犯罪の分野では110年ぶりとなる刑法の改正によって、親などの監護者の子どもへの性的虐待を処罰するものとして監護者性交等罪、監護者わいせつ罪が新設等が行われたこと。
さらに2018年、2019年と相次いで子どもの虐待死が明らかになり、社会へのインパクトは大きく、ちょうど子どもの権利条約採択30年、日本が批准して25年という節目であったことも運動を後押しして、2019年6月、国会では「児童福祉法」「児童虐待防止法」が改正されたこと。これによって2020年4月からは親による体罰の全面禁止が施行されました。また、2018年2月のソリューションズ・サミットにおいて日本政府は子どもに対する暴力をなくすことに積極的に取り組むパスファインディング国になると誓約しました。
 

3.スローガン:『すべての子どもが“安心・自信・自由”に』とは

子どもに特別に大切な3つの権利「安心・自信・自由」が障がいのある子ども、社会的養護のもとに暮らす子ども、外国にルーツのある子どもなどすべての子どもたちに、誰一人取り残すことなく保障され、子ども自身が自分の安心・自信・自由を実感できる社会をめざします。
 

4.SDGsターゲット16.2

SDGs(持続可能な開発目標)とは、2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標。以下はCAPの取り組むSDGsのゴールです。

特に重点的に取り組む ターゲット16.2
「子どもに対する虐待、搾取、取引及びあらゆる形態の暴力及び拷問を撲滅する」

 

5.立案のプロセス(ネクストステージ委員会の設置など)

持続可能な活動をめざして

―第1期中期計画(2013~2019年度)

それまでの単年度ごとに事業を検討することから脱却し、戦略的に取り組むことを意識した6年間でした。懸命に中期計画の遂行を図ったものの、掲げていた5つの重点目標のうち、「地域のCAP活動の活性化のための支援」は思うように成果をあげることができず、地域活動は非常に脆弱な状態に陥ることとなりました。

―第2期中期計画の策定(2019年度)

そこで、2018年度定時総会終了後(2018年5月)の意見交換カフェから、少しずつ会員の皆さんのご意見を伺い、2020年度からの新たな中期計画の策定の準備を進めていきました。SDGsについての情報共有を行いつつ、地域活動の活性化を図るため、各地域のCAPプログラム実践者からの声を取り入れた計画にしていくために、2019年度に地域のCAPスペシャリスト(CAPプログラム実践者)5人、外部委員1人(大学教員/専門:児童福祉)、理事3人で構成するネクストステージ委員会を立ち上げました。前中期計画を振り返り、NPO法人として、そして日本のCAPトレーニングセンター(RTC)としての現状を共有し、今後の目標・取り組みを明確にし、さらに成果指標・数値目標を掲げて、確認・評価を行いつつ戦略的な取り組みを行うことを具体的に検討していきました。事務局・理事で構成するワーキンググループで整理し、理事会で議論を重ね、さらに会員と地域のCAPプログラム実践者対象のパブリックコメントを行い、多くの方々のご意見と多角的な視点をあわせて策定したのが本中期計画です。

 

6.中期計画4つの柱と組織管理


 
つながりをつくる ネットワーク・市民参加推進事業
〇これまでも取り組んできたネットワーク・連携の促進ですが、様々な形態の子どもの権利侵害から子どもを守り、子どもの育ちを社会全体で支えていく意識・行動を広げていくためには、より一層の連携・社会啓発を活発に行うことが必要だと考え、4つの柱の1つに位置付けました。
 
子どもアドボカシーの日常化・当たり前化 子どもアドボカシー推進事業
〇現在、社会的養護のもとに暮らす子どもたちへのアドボカシーの取り組みが、各地で進捗しつつあり ます。しかし、CAPがめざすのは、すべての子どもを対象とする日常的なアドボカシーの保障。子どもアドボカシーが“当たり前”なものになっている状態をめざします。そのため、中期ビジョンを「子どもアドボカシーを理解するおとなが増えている」としました。
〇CAPプログラムは、予防教育を通して、子ども差別の解消を図る運動です。定款にも示されている原点に、今一度立ち返り、中期ビジョンとして掲げ、内外で意識してActionすることをめざします。
 
子どもにとって信頼のおける予防教育の普及促進 CAPプログラム普及促進事業
〇いじめ・体罰・虐待・性暴力などあらゆる形態の子どもへの暴力は、学校、施設、地域など様々な場所で起きています。起こってしまってからの対応の充実とあわせて、「予防」(未然防止・発生防止・悪化防止・再発防止)にもっと目が向けられる必要があります。そのため、予防教育「CAP」のアピールを強化し、「予防できる」という認識を広め、CAPの考え方を活かした取り組みを地域・家庭・学校の三者が一体となり、子どもと共に行う実践の広がりをめざします。
 
地域活動の活性化 トレーニングセンター伴走支援事業
〇活動を広げるため、バトンをつなぐために実践者を増やすことはどのグループにとっても必要。実践者が増え、実践が広がり、連帯によって地域で日常的に予防に取り組む意識が定着することをめざします。
 
持続可能な運営 組織管理
〇これまで以上に社会の状況、関心に目をむけ、より一層共感を呼び起こす多様な発信を行うことで、外部人的資源、あるいは内部(CAPプログラム実践者)の人材資源を予防教育の推進にむけて結集し、持続可能な運営にむけた経済的基盤を構築することをめざします。
 
中期ビジョン・中期戦略の詳細はこちらのPDFをご覧ください。

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第1期中期計画