知っていたから、子どもの話を聴くことができた
末っ子の通う幼稚園で保護者ワークショップに参加しました。そのときのお話から、子どもに何かあったとき「話してくれてありがとう」を言おうと心に決めていました。そんなある日、中学生の上の子が普段から無口だけれど、「おかえりなさい」と言ったら返事をするのに、その日は黙ったままでした。「何かあったの?」と聞くと、「おれ、ケンカしてくればよかった」と言うので、息子の後ろ姿に向かって「ありがとね。母さんに話してくれて」とCAPで習った言葉を使ってみました。すると息子が突然振り向いて「誰にも喋るなと言われたけれど、俺たち、カツアゲされたんだ」と話し始めたのです。怖くて自分たちの学校名も言ってしまった事、他の3人と親には黙っていようと約束したのに、お母さんが「ありがとね」と言ってくれたので、なんだか話したくなって言ってしまった事などを私に話しました。
いつもの私なら、子どもに「あなたが悪い」というふうに叱ったに違いありません。中学生の息子にはいつも「問題を起こさないでね」と言っていましたが、親として我が子が起こすかもしれない加害問題ばかりを心配して、降りかかってくるであろう被害を受けたときにどうするかという問題に対して、あまりにも無防備だったと痛感しました。子どもは年齢に関係なく、親の目の届かないところで被害に遭うことがありますが、CAPは降りかかってくる問題に対して、おとなの対応の仕方を教えてくれました。
たった一言の「ありがとね。話してくれて」の言葉で私たち家族の関係が変わりました。
(CAP保護者ワークショップ参加者)