社会的養護のもとに暮らす子どもへのCAPプログラム

社会的養護のもとに暮らす子どもへのCAPプログラム
児童養護施設をはじめとする社会的養護現場でもCAPプログラムを提供しています。この取り組みが始まった2002年当初は各グループがそれぞれに工夫しながら取り組んでいましたが、経験を蓄積し、研修していく中で児童養護施設の現場の方・被虐待児の心のケアを専門にする方からの助言、ワークショップ実施にご協力いただいた児童養護施設職員の方からのご意見や感想をもとに、2006年「CAP児童養護施設プログラム」としてガイドラインづくりを行い、組織を上げての取り組みになっています。近年はニーズが広がり、母子生活支援施設や情緒障がい児短期治療施設等でも実施しています。

社会的養護の現場には、すでに何らかの形で直接、心とからだを傷つけられる体験したり、そのような環境の中で暮らしてきた子どもたちが生活しています。子どもの現在から将来までを見通し、予防の観点からの①未然防止、②発生防止、③悪化防止、④再発防止に対する施設全体で取り組みが重要になります。そのため施設職員の皆さんに「施設職員ワークショップ」を実施し、おとなが子どもを支援するための考え方やスキルを提供しています。このような取り組みは、継続実施によって職員の意識、施設での子どもとおとなの関係に変化が現れるなど有効性が職員へのアンケートで明らかになっています。

子どもワークショップは入所児童へのプログラム提供であるため、グループ分けは施設職員とCAPのスタッフとが相談しながら、発達、年齢、力関係、集中力、子どもの状況などを考慮して行います。施設によっては異なった年齢集団になることもありますが、子ども同士がお互いに影響しあい、意見が広がり、他者の意見を聞く学びあう機会としても効果的です。またCAPスタッフが、子どもたちとの信頼関係を少しずつ築いていき、一つひとつのメッセージを子どもが体感するため、施設での実施は、2日以上かけて行うのがポイントです。
児童養護施設の子どもたちに「あなたは大切な人」というメッセージを届けるため、一人ひとりを尊重し、注目しながらワークショップを行いますので、通常より少ない人数で行います。
子どもワークショップが終わるごとに、CAPのスタッフと職員との振り返りを行います。
丁寧な振り返りをすることで、次のワークショップに活かすことができます。CAPプログラム実施の目的は、子どものワークショップ実施以降の「安心・自信・自由」が保障される環境を整えることです。振り返りでは、子どもワークショップでの子どもの様子を含めて、職員と話し、日常生活でCAPを活かしていただくための提案も行っています。

以上のように、子どもワークショップ実施までに、何度も施設に足を運び、施設職員や子どもたちとの信頼関係を築きながらプログラム提供を行うことにより、最初はなかなか発言しなかった子どもが、日を重ねるごとに自分の気持ちを表せるようになっていきます。また継続実施によって回を重ねるごとに、発言等に変化が見られます。職員の皆さんとそのことを確認しあいながら、振り返りを行っています。

幼児期の子どもへのプログラム提供

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小学生へのプログラム提供

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プログラムの構成
社会的養護の現場では以下の3つを提供しています。

第1段階 施設職員ワークショップ

第2段階 子どもワークショップ

第3段階 地域セミナー 

※地域セミナー・・・社会的養護のもとに暮らす子どもたちへの理解を深め、子どもたちの育ちを支援する地域ネットワークを強化する目的で、学校・社会的養護の現場に関わる職員等・市民が一堂に会するセミナーです。
 
取り組みの組み合わせは、次のA・B・C・Dの4つがあります。

A 施設職員ワークショップのみ
B 施設職員ワークショップと子どもワークショップ
C 施設職員ワークショップと子どもワークショップと地域セミナー
D 地域セミナーのみ

施設によって状況が違いますので、上記の4つの実施方法から目的を定めて選んでいただいています。
ただし学校で行うCAPプログラムと同様に、社会的養護の現場においても、職員等の子どもを取り巻くおとなが、CAPの内容や考え方を先に理解しておくことが大前提です。それによって日常生活でCAPで得た言葉や考え方の活用が可能になります。そのため、子どもワークショップのみの実施は行っていません。

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